こんにちは。こばやし矯正歯科です。
見た目が目立ちにくいなどのメリットが多いインビザラインでの矯正ですが、どんな歯並びにも対応できるのでしょうか? 実際のところ、すべての歯並びに対応しているとは言いきれず、ほかの矯正方法をご案内することもあります。
今回はインビザラインで矯正ができない歯並びや、向いていない方についてお話ししていきます。
目次
■マウスピース矯正(インビザライン)はアタッチメントやアンカースクリューで様々な動かし方が可能に
マウスピース矯正(インビザライン)は、歯にマウスピースを1日20時間以上装着して歯を動かしていく矯正方法です。
マウスピース単体だけでは動かしにくかった歯も、アタッチメントやアンカースクリューと組み合わせて矯正を行うことで、インビザラインでの適応範囲が広がります。
※アタッチメント:
歯の表側に装着する突起物。インビザラインと組み合わせることで矯正力が増し、複雑な歯の動きも可能に。
※アンカースクリュー:
顎の骨に小さなチタン製のネジを埋め込み、それを固定源として歯を動かす方法。
■マウスピース矯正(インビザライン)ができない場合がある歯並び
以下のような歯並びは、インビザラインで矯正することが難しい場合があります。
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埋伏している歯の牽引が必要になる歯並び
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顎の骨の外科手術が必要になる歯並び
詳しく見ていきましょう。
◎埋伏している歯の牽引が必要になる歯並び
インビザラインは、歯ぐきに埋没している歯を引っ張り出すことが必要な場合、歯を動かしにくい可能性があります。このような症例では、インビザラインでは十分な結果を得られないこともあり、ワイヤー矯正など、ほかの矯正方法をご案内することもあります。
◎顎の骨の外科手術が必要になる歯並び
顎の骨格自体に大きな問題がある場合、インビザラインでの矯正は推奨できません。
というのも、矯正治療は多くの場合で自費診療となりますが、顎変形症のように顎の骨格自体に大きな問題がある場合は保険が適用される場合もあります。
しかし、保険が適用されるのはワイヤー矯正で、インビザラインでは保険適用にならないため推奨できないというのが理由です。
また、下顎が重度に突出している受け口や顎変形症と診断された場合は、外科的手術を行い顎の骨の位置を調整する必要があります。
顎変形症とは
顎変形症とは、顎の骨に異常があり、顔の形状の変形・噛み合わせの不正などが見られる状態です。顔が左右非対称であったり、顎の位置、上下顎の大きさに異常があることで、噛むことが難しかったり、話しにくくなることがあります。
■マウスピース矯正(インビザライン)が向いていない方
インビザラインでの矯正は目立たずに歯並びを整えられる一方で、装着時間やマウスピースの管理が重要です。この管理が適切に行えない方は、固定式のワイヤー矯正の方が向いている場合があります。
まず、矯正の成功にはマウスピースの装着時間が大きく影響します。そのため、装着時間を守らないと治療計画に遅れが生じ、歯が計画通りに動かなくなる可能性があるのです。
マウスピースは基本的に1日20時間以上の装着が必要で、食事や歯磨き以外の時間は常に装着することが求められます。装着時間を守らないと結果的に治療期間が延びたり、マウスピースを作り直したりすることにもつながりかねません。
また、インビザラインでの矯正では、マウスピースのケアも重要で、適切に行わないとむし歯や歯周病のリスクが高まります。飲食後には必ず歯磨きをし、マウスピースを流水で洗浄する習慣を徹底しましょう。むし歯や歯周病が発生すると、矯正治療を一旦中断することもあるため注意してください。
■まとめ
現在のインビザラインは、捻転や八重歯の矯正など、ほとんどの動きに対応できます。しかし、埋伏している歯の牽引や顎の骨の手術が必要になるような症例には向いていません。
また、マウスピースの装着時間を守ることや定期的なケアをすることは治療期間中に欠かせないポイントになるため、これらを習慣づけられない方には向いていないかもしれません。
こばやし矯正歯科では、経験豊富な歯科医師が、患者さんの歯並びの状態に合わせた適切な矯正治療をご提供します。矯正にお悩みの方はお気軽にご相談ください。