子どもの歯並びが気になった時、マウスピース矯正を検討してみたいと考える親御さんは多いのではないでしょうか。
近年は小児矯正においても透明なマウスピースを用いた治療が知られるようになってきました。
その代表格がインビザライン・ファーストです。
そして、当院では「インハウスアライナー」というマウスピース型矯正装置をご案内することもあります。
どちらも透明で取り外しができる矯正装置ですが、仕組みや特徴には違いがあります。
この記事では、この2種類のマウスピース矯正の特徴や違いを詳しく解説します。
目次
■インビザライン・ファーストとは?
◎世界的に普及している子ども向けマウスピース矯正
インビザライン・ファーストは、米国のアライン・テクノロジー社が開発したマウスピース矯正システムで、主に6歳から10歳ごろの混合歯列期の子どもを対象としています。
◎治療計画はデジタル作成
専用のスキャナーで口腔内を3Dスキャンでデータ化し、専用ソフトでシミュレーションを行うことで、どのように歯が動くかを可視化します。
これまでに世界中でアライン・テクノロジー社の治療を受けた方のデータが蓄積されていて、これを基に治療計画を立てるため、多岐にわたる症例に対して治療計画を立てられます。
データをメーカーへ送るとマウスピースが作製され、届いたマウスピースを使って矯正治療を行っていきます。
■インハウスアライナーとは?
◎院内で製作するオーダーメイドのマウスピース
インハウスアライナーとは、メーカー側に患者さんのデータを送ることなく、歯科医院内で作製できるマウスピース型矯正装置です。
歯型をスキャンし、医院内の3Dプリンターや専用の装置を用いてマウスピースを設計、製作します。
◎作り直しがスピーディー
子どもの矯正では、永久歯が次々と生え変わるため、マウスピースの作り直しが必要な場合があります。
インハウスアライナーは院内でスピーディーに対応できるため、歯の生え変わりに柔軟に対応できる点が大きなメリットです。
◎コスト面や通院管理に配慮しやすい
院内で製作するため、費用を抑えやすいケースがあります。
また、通院時にすぐ調整や再製作ができるため、子どもの負担を減らすことができます。
■インビザライン・ファーストとインハウスアライナーの違い
◎製作システムの違い
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インビザライン・ファースト:
海外の専用工場で製作。世界的に蓄積されたデータをもとに精密なシミュレーションが可能。
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インハウスアライナー:
医院内で製作。スピーディーな対応が可能で、生え変わりにも柔軟に対応。
◎対応できる症例の幅
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インビザライン・ファースト:
幅広い子どもの歯並びに対応でき、成長期を利用した矯正が可能。
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インハウスアライナー:
4枚〜10枚のマウスピースを使用するため、軽度〜中等度の症例に対応。歯の移動計画は歯科医師の技術や設計力に左右される。
※マウスピースの枚数はお子さんの症例によって異なります。
◎治療の柔軟性
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インビザライン・ファースト:
治療計画は事前にまとめて作られるため、完成までのシミュレーションがしやすい。
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インハウスアライナー:
その都度作り直せるため、予測できない歯の生え変わりにもすぐ対応できる。
◎治療のタイミングや治療期間
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インビザライン・ファースト:
使用期間が1年半と限られていて、延長には追加で技工代が発生します。そのため、開始時期の見極めが重要。
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インハウスアライナー:
マウスピースを1枚ずつ作成できるため、いつでも始められる柔軟さが魅力。
■子どものマウスピース矯正を選ぶときのポイント
◎子どもの成長に合わせた選択が大切
子どもの矯正は、歯の生え変わりや顎の成長を考慮する必要があります。
世界的に多数の実績があるインビザライン・ファーストは幅広い症例に対応でき、多くの歯科医院で導入されています。
一方、インハウスアライナーはスピーディーに調整できる点が大きな強みですが、院内でマウスピースを作成するための設備投資が多額になることもあり、導入されている歯科医院が限られているのが現状です。
◎通いやすさと管理のしやすさ
子どもは、治療の意味を理解できていないと嫌になったり、飽きてしまったりして、装置をきちんと装着できないこともあります。
きちんと通院して定期的にチェックを受けることや、作り直しの対応が迅速であることは、治療スムーズに成功させるうえで重要なポイントになります。
【2種類のマウスピース矯正、それぞれにメリットがある】
子どものマウスピース矯正には、「インビザライン・ファースト」と「インハウスアライナー」などの種類があります。
どちらが適しているかは、子どもの歯並びの状態や成長のスピード、通院環境によって異なります。
名古屋市守山区にある当院、こばやし矯正歯科では、どちらのマウスピース矯正にも対応しております。迷った時は、歯科医院で相談し、それぞれのメリットを比較しながら一緒に検討していきましょう。